実家の箪笥を整理していたら、着物が20枚以上出てきたという話はよくあります。
自分では着ないため、正絹か化繊かの見分けもつかないという人も多いはずです。
調べてみると、着物は種類と証紙の有無で買取額に大きな差がつくことが分かりました。
手放す前に知っておきたいポイントをまとめています。
着物の種類と証紙で買取相場は大きく変わる

着物は「どんな着物か」によって買取相場のレンジがまったく違います。
まずはざっくりとした価格帯を把握しておきましょう。
訪問着・留袖・振袖は格と正絹かどうかで差がつく
着物には「格」という考え方があり、フォーマル度の高いものほど高値がつきやすい傾向があります。
目安の相場を表にしました。
| 種類 | 買取相場の目安 |
|---|---|
| 振袖(正絹・状態良好) | 5,000〜50,000円 |
| 訪問着・留袖 | 3,000〜30,000円 |
| 附下・小紋 | 1,000〜10,000円 |
| 化繊(ポリエステル)の普段着物 | 0〜数百円程度 |
振袖や留袖は仕立てに手間がかかっている分、正絹で状態が良ければ数万円になることもあります。
一方、ポリエステルなど化繊の着物は洗濯機で洗える手軽さが売りですが、買取対象外にしている店も少なくありません。
自分の着物が正絹かどうかは、共布(残布)についたタグや、仕立てた店の名前が入った証紙で確認できる場合があります。
タグや証紙が見当たらない場合でも、生地の光沢や手触りで正絹らしさが分かることもあるので、査定時に鑑定士へ相談してみるのも一つの方法です。
留袖であれば背中や両胸、両袖に入っている家紋(かもん)の有無や数でも格の高さが分かり、五つ紋の留袖は特に格式が高いとされています。
大島紬・結城紬など産地物は証紙の有無で査定が跳ね上がる
紬(つむぎ)と呼ばれる織りの着物の中には、大島紬や結城紬、久米島紬のように産地が決まっている伝統工芸品があります。
これらは「証紙」という、産地や技法を保証する紙が着物に縫い付けられているかどうかで査定額が大きく変わります。
証紙付きの大島紬は状態が良ければ10万円を超える査定がつくこともありますが、証紙がないと同じ着物でも半額以下になりやすいのが実情です。
箪笥の中に着物と一緒に小さな紙が入っていたら、捨てずに一緒に保管しておいてください。
査定額を下げてしまう見落としがちな原因

相場を知ったら、次は査定で損をしないための注意点を確認します。
シミ・カビ・変色は自己判断でのお手入れが逆効果になることも
長期間しまいっぱなしだった着物には、シミやカビ、変色が出ていることがあります。
「きれいにしてから出したほうがいいはず」と考えて、自分で漂白剤を使ったり強くこすったりする人もいますが、正絹は水分やアルカリ性の洗剤に弱い素材です。
自己流のお手入れでシミが広がってしまい、鑑定時にはより状態が悪化しているケースもあるようです。
買取店の鑑定士はシミやカビの状態も踏まえて査定するので、無理に手を加えずそのまま出すほうが安全かもしれません。
化繊と正絹の違いが分からないまま処分するのは損
着物専門の鑑定士がいない一般的なリサイクルショップでは、正絹と化繊の見分けが甘くなりがちで、価値のある着物を安く買い取られてしまう可能性があります。
実家の整理では、着物だけでなく帯や草履、和装小物、他の遺品整理品もまとめて出てくることが多いはずです。
バイ王のような総合宅配買取なら、着物と一緒に帯や草履、和装小物、片付けで出た他の不用品もまとめて段ボールに詰めて送れます。
着物専門店で個別に査定してもらう前に、まずは一式まとめて手放したいときの選択肢として覚えておくといいかもしれません。
売り先ごとの向き不向きを比較する

着物の売り先は主に3つあり、それぞれ査定の考え方が違います。
着物専門店とリサイクルショップの査定基準の違い
バイセルや福ちゃんのような着物専門の買取店は、証紙や産地、織りの技法まで見て査定してくれます。
一般的なリサイクルショップでは着物専門の鑑定士がいない場合が多く、正絹か化繊かの判定だけで価格が決まってしまうこともあります。
| 売り先 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 着物専門店 | 産地物・振袖・留袖など価値が高そうな着物 | 出張・宅配・店舗で対応範囲が異なる |
| リサイクルショップ | すぐ現金化したい少量の着物 | 専門鑑定士がいないと査定が甘くなりがち |
| フリマアプリ | 状態の良い普段着物を安めに手放す | 個人での正絹判定が難しくクレームリスクがある |
出張査定を選べば、大量の着物を持ち運ばずに自宅で一気に見てもらえるので、20枚以上まとめて手放したい場合は候補にしやすい方法です。
フリマアプリでの個人売買はトラブルリスクが高い
メルカリなどのフリマアプリで着物を出品する人もいますが、証紙がない状態で「大島紬」と自己判断で表記すると、後から「違う織りだった」とクレームになることがあります。
サイズが合わない、シミに気づかず発送してしまったなど、対面で説明できない分のトラブルは着物のほうが起きやすい印象です。
着物をまとめて手放したいなら、専門店や総合買取に依頼したほうが手間は少なくなります。
売る前にやっておきたい準備

売り先を決める前に、いくつか準備しておくと査定がスムーズになります。
証紙・付属品を探して一緒にまとめる
着物本体だけでなく、証紙、帯、帯締め、長襦袢などの付属品も一緒に見つけておいてください。
証紙は着物の内側や共布に縫い付けられていることが多く、見落として処分してしまう人が少なくないようです。
見つかった証紙は着物からはずさず、そのまま一緒に査定に出すのが確実です。
防虫剤とたとう紙の状態を確認する
着物はたとう紙(着物用の和紙製の袋)に入れて保管するのが基本ですが、防虫剤が直接着物に触れていると変色の原因になることがあります。
防虫剤のシミが出ていないか、たとう紙が黄ばんでいないかを確認しておくと、査定前に自分でも状態を把握できます。
長年開けていなかった箪笥なら、湿気やカビのにおいがしないかも合わせて確認しておくと安心です。
2〜3社に見積もりを取って比較する
着物の査定額は店によって基準が違うため、1社だけで即決すると相場より低い金額で手放してしまうことがあります。
出張査定やLINE査定を使えば、箪笥から出さずに複数社の見積もりを取ることもできます。
2〜3社を比べて「この金額なら納得できる」という基準ができれば、迷いなく手放す判断がしやすくなるはずです。
着物は「古いから価値がない」と決めつけず、証紙や産地を確認してから手放すかどうかを判断してみてください。